関ジャニ∞X'masパーティ2005※1



本人基本スペック
27歳、男。売れない漫才師※2。趣味はインターネット、演劇鑑賞。
ジャニーズ事務所のコンサートに行くのは初めて。
(城ホールや大阪ドームでのコンサート後、その周辺で路上ライブをした経験が数度あり)
音楽の趣味はパンク、ロックを中心にほとんど洋楽。
「ジャニーズ」の楽曲は自分にとって「クラシック」や「演歌」と同じで音楽的には関心なし。
「関ジャニ8」は、なんとなく知ってるだけ。
NEWSとかぶってるメンバーがいる、8人組で一人「菊間事件」で謹慎中だったような?
「ダウンタウンのHEYHEYHEY」で見た気がする。
そのとき会話を引っ張ってた芸人っぽいキャラのメンバーが印象に残っている、が名前は失念。といった程度の知識。

当日時間丁度に到着すると凄い婦女子の数。その数と活気に圧倒される。
興奮が伝わってくる、ムンムンとした熱気、ざわめき。芸能レポーターの駒井さんを見かける。
おお、女の子に囲まれて写真とられてるわ。大人気。
これだけ人気があればそのうち芸能レポーターをレポートする「芸能レポーターレポーター」なる職業が出てくるのでは。

入場。自分は、急なお誘い
※3で準備ができておらず、
バイク用の防寒具と、ジムに行く予定だったので持ってきた着替え一式、仕事の資料などで大荷物。
当然持ち物検査にたいそう時間がかかり、後ろで並んでいる人々の冷たい視線に大変恐縮。
荷物検査での係官と客との会話を聞いていると、うちわのサイズがどうとか聞こえてくる。
聞くと手作りのうちわにサイズの制限があるとのこと!
ジャニーズファンの方々には当たり前のことかもしれないが自分にはカルチャーショック。
深夜特急で大沢たかおが、トルコからイランに入った時に
自動車が左側通行から右側通行に変わった時に味わったくらいのカルチャーショック。
「ジャニーズコンサート規則第○条、うちわのサイズは、タテヨコ直径35センチ以下、
かつ一人につき2枚までの持込を許可する・・」みたいなことが
どこかの会議で大真面目に決められたのだ、という事実にちょっとテンションが上がる。

さらにボディチェックを経て、やっと入場。2階へ。グッズ売り場に並んでいる人、人。
うわ!写真一枚600円!?※4 しかも売れてるし!
高いかな、と思ったが、もし、自分が高校生で、好きな女の子がいて、
その子の写真が600円で売ってたら買うな、と半ば無理やりに納得。
いや、そんな単純なものじゃないかも。
写真一枚600円という「非現実的な付加価値」こそが重要なのだろう。
ブラウン管の向こう側とコタツの中の自分、
幕で仕切られた舞台の上と客席、写真一枚を600円で売る側と買う側、という遠すぎる距離感こそが
「あこがれ」という快感を演出してくれるのだ。逆に安けりゃありがたみがない。
「高いお金を払った」「苦労してプラチナチケットを手に入れた」という困難さの鬱積こそが、
コンサートでの悲鳴にも似た阿鼻叫喚を誘うのだ。値段設定も演出の一部、ってことか。

着席すると2階席最前列で、もの凄く見やすい席。
女の子ばかりの会場に居て浮かないだろうか、と心配していたが、特に何も感じることなく普通に座っていられた。
予想していた「女の子の買い物に付き合って、女性衣料品店に居る時のあの居心地の悪さ」がないのだ。
少し考えて理由がわかった。周りの女性客の視界に、僕という存在が入っていないのだ。
僕が「女性の中に一人いる男性」として意識されていない、
なぜなら、これから舞台に現れてくるであろう「理想化された男性性」の前では、
客席にいる一般男性などでは、その男性性を感知することができない程度の些少な存在だ、ということなのだ。
現に僕の左前の席で、若い女の子が普通に肌着だけになって服、着替えてるし。
つまり僕をひっくるめてこの場所は今「女子校」と化しているのだ。心地よい無視。

開演。オープニングの音楽が流れ出すと『キャー』
キャー早いわ。誰も出てきてないのに。いきなりトップギア。すごい声量。歌手じゃなくて客席が。
普段そんなに声出してないやろ、授業で当てられた時もそれくらい声出してよ。
舞台の幕に、地球?を模ったキャラクターが映し出されるとまた『キャー』
何でもええんかい。そのキャラ別に可愛くもないぞ。
そんなんやとディズニーランドでミッキーマウスに会ったら卒倒するんちゃうか。
幕が開くとメンバー登場。2階席(3階席も?)にもメンバーが!
僕の席からもすごく近い所にも一人来た!誰か知らんけど!
ここで『キャー』が本日のマックスに。今までも十分うるさかったが、うるさいのレベルを超えて耳が痛い!
でもそれだけみんな興奮してるのに、きちんとマナーを守って自分からメンバーに触りに行ったりしないのに感心。
興奮してるのに理性的、って所に、やや違和感あり。しかしみんな本当に「行儀」が良い。
ジャニーズ事務所、コンサートスタッフがすごく厳しいのだろうと推測。
写メールでもとると出入り禁止くらいの処分は受けそうだ。
しかしこのマナーの良さはそれだけじゃないな。「私の大好きな○○くんを困らせたくない」ってのもあるのかも。
スタッフにいくら注意されても「うっさいボケ」だけど、
舞台の上のすばる君に「携帯の電源は切っておいてね」と言われたら嬉々として従うのだろう。
「僕らも頑張るからみんなもコンサートを盛り上げるのに協力してね」
「舞台の上の僕らも客席のみんなも全員良い子」っていう空気が充満している。
ひょっとしたら「ジャニーズ」は教育的にすごく良いのかも知れない。
○○しちゃ駄目だよ、って憧れてる人に言われたら素直に聞くもんね。情操教育によいのかも。
歌っているメンバーが花道からこっちに手を振る。周りのみんなが手を振り返す。
自分も、半ばヤケクソで手を振ってみる。2階最前列、花道の真上、という絶好のロケーションで、ばっちり目が合う。
うわ、見たことないような男前が涼しい目で僕に笑いかけてる!ドキ、と一瞬胸が鳴る。
男に興奮してしまった!自分、メッチャストレートやのに!
男性にセクシュアルな関心は無いけれど、ドキドキしてしまう。これは美的関心?
男の僕でそうなるのなら女の子の興奮はいかばかりか、と周りの様子を伺ってみると、
いるわいるわ髪の毛振り乱して泣き叫びながら手を振る子、
魂抜かれたような顔で口あけて見とれている子。マンガでしか見たことない顔になってる!
「ハツカレ」の表紙の顔だ!すごい!こんな顔リアルで見たの初めて!(参考

何曲か歌って、MC。順番に「元気ですかー」などと客席と掛け合い。反応もよく、盛り上がる。
ボケにオチがないとかも特に気にならないくらいのレスポンスの良さ。
しかし年上のお客さんもたくさん居るやろうに「お前ら―」という呼びかけ方は、ん?と思う。そういうものなのかな。
「先輩を○○くん、って呼ぶ」と同じように「ジャニーズルール」ってやつ?
若いお客さん的には親近感もわくしそれでよいのかな。
韓流スターは全員丁寧語で話すし、キャラ的なものと客層を考えて事務所がそうさせてるんだろうな。
このあと、世界の平和が危ない、とか悪魔の杖がどう、とかドラマが展開していくがあまり良くわからない。
説明も不親切だが、ということはたぶん理解できなくても大丈夫なのだろう。
(実際に、勧善懲悪のベタベタなストーリー展開。シナリオのストレートさは劇団四季と似た印象。
ただし女形がいないのでラブロマンスは無し。当たり前か)
途中、ジュニアのジュニア?(小学生に見える)がたくさん出てきたり、
次世代を担うと期待されてるっぽいデビュー前の若手2人での舞台があったり。
この辺は青田買いもするヘビーなファンと普通の関ジャニ∞ファンとで微妙に見方が違うような気配。
興味ない人は休憩してるし。
しかしジャニーズファンのなかでも上級者になると売れる前のこういう若手有望株をチェックするほうが楽しいんだろうなあ。
ここで「エイトレンジャー」というヒーローもののコントが始まる。場内爆笑。
ベタだけど面白くできていて、ファンじゃない僕も十分楽しめた。
ただ、ここまでは気にならなかったけど、「エイトレンジャー」と名乗る以上は7人しかいないことがさすがに気になる。
ゴレンジャーはレンジャーが5人だからゴレンジャーなのだろうし。
そういえばここまで、メンバーが足りないことにたいして一言もコメント無し。
場内に「内は出演しません」の張り紙も無し。暗黙の了解?
「あいつも頑張ってるんで反省して戻ってくるのを僕らみんな待ってます」「(場内拍手)」みたいなのがあると思ってたけど。
(結局最後まで触れられなかったが)今後の復帰はないってこと?
いや、公式ホームページにプロフィールがあるってことはクビではないのだろう。
「スキャンダルには触れない」という「ジャニーズルール」なのだろう。「稲垣メンバー」の時も「触れない」だったのかな。
緑レンジャーが二人居て色がカブっている、というボケには突っ込み無し。(歌ってるから突っ込めないってのもあるのかも)
何曲か歌ってトークコーナー。
ここでやっと緑色がカブっていることを指摘。ではどんな色にしましょうか、という話題でトーク展開。
7人居ると全員均等には喋らなくても良いのだろうけれど、特定の数人がほとんど喋ってるなあ。
このコーナーも盛り上がる。トークは毎回アドリブなのかどうか気になってネットでいくつかのレポートを見てみると、
トークのテーマは変わるみたい。手を抜いても誰も怒らないだろうに向上心あるなあ。
でも常に努力していかないと、社内での競争に負けてしまうのだろうな。
関ジャニ8のメンバーになれる競争率ってどれくらいなんだろう。
それくらいの向上心がないと、ここまで来れてないか。と勝手に感心。
この辺でやっとメンバーの顔と名前が一致し始める。
さっき僕と目が合った人は「錦戸君」だと知る。最年長でリーダー格?の印象。
色白でハーフっぽい人が横山君、3枚目キャラっぽい、優しそうでムードメーカーっぽい人が村上君、
背の低い人がすばる君、と、この日覚えることができたのは4人。
すばる君は、外見が可愛い印象なのに歌声が渋いのでそのギャップが印象的。
錦戸君は一番男前。横山君は、グループの中のトラブルメーカーかな。美味しいとこ持って行きそう。
村上君は包容力があって優しそう。妹の彼氏にしたい。(注:完全に主観です)

また数曲歌ってラストにメンバー紹介、挨拶があってアンコールがあって終わり。
2時間ちょっと。もうお腹一杯。大満足。しかしこれを1日3回公演やるのか、そりゃメンバー全員やせてるわ。
お客さんも不満のある人なんて一人も居なさそう。
エンターテイメントとしてのジャニーズの底力を見たような気がする。20曲近く歌ってた?数えきれない。
すごいボリューム感。お客さんの熱狂もすごかった。
また見たいけど男の僕が5500円を自腹切ってまではちょっとなあ。
毎日ペットボトルに自分で沸かしたお茶を入れてって節約するくらい貧乏な僕には一生に一回の贅沢だ、と
この思い出を心に焼き付けて生きて行きます。駄文でした。終わり。




※1 12月16日〜25日まで大阪松竹座で全26公演行われた関ジャニ∞コンサート
※2 松竹芸能若手漫才師Fun Park(ファンパーク)の江上くん。どうやら阪大卒らしい。うーん、レポを読んで妙に納得。
※3 急に仕事で行けなくなったので「勉強しといで!」と半ば押し付けるかのようにプレゼント。まさかここまで勉強熱心だとは(笑)。
※4 実際は4枚で600円となっております。まぁでも1枚150円っつーのも普通に考えたら高いわな。
でもこれも演出、演出☆