Suzu Diary




2003年5月 第2週





5月4日(日)

昨日は日記を書けなかった。
椎葉部長の事を想うとどうしても辛くなる。
でも書かなきゃいけない。

私が一番に惹かれたのは、3年の椎葉部長だった。
格好良くて、優しくて、とても面倒見が良くて。
知識が豊富で面白い話を沢山してくれた。

私はすぐに彼に惹かれていった。
彼も私を好きになってくれた。
大学が終わった後に二人だけで食事をしたりするようになった。
それが、丁度一年前の5月…
7月にサークルで合宿にいった。

二人一部屋で、他に作業用に大広間があった。
私は志穂ちゃんと一緒だった。
志穂ちゃんに、私が部長の事を好きだとうち明けたら、
志穂ちゃんは壮一郎くんが好きだと打ち明けてくれた。

私は志穂ちゃんと壮一郎くんのことを応援するから…
私のことを応援してね、と…
私は、そう、言った。あの時。
私は椎葉部長の事しか頭に無かったから。

結局、合宿では特に何の進展もなかった。

今考えてみれば、あの時、椎葉先輩達は…真理子先輩と…










5月5日(月)

恋は盲目だと言われるが、まさしくその通りだ。
私は椎葉部長が好きで、好きで仕方がなかった。
他のことに対してはどこかおざなりで、疎かだった。
そして盲目なのは、他のことに対してだけでなく、
部長に対してもそうだった。
私は夢を見ていただけなのかもしれない。
けど、今でもまだ覚えてる。
部長の優しい瞳。
あれが嘘だったとは信じられない。
だからまだ、諦めきれないでいる。










5月6日(火)

今日は西洋哲学史の講義があった。
人間が、人間社会を形成し始めた過程を学んだ。
ある人が、ここは俺の土地だと、主張し始めたその時に、
貧富の差が生まれた。
全ての人は平等であったはずなのに。
不平等であるが為に、差別が、階級が、戦争が生じた。
もしそんなことが無ければ“人権”なんてものは必要なかったものだった。
愚かだって思う。










5月7日(水)

椎葉部長と…椎葉部長に、告白したのは私からだった。
私が好きですっていったら。
俺も好きだったって、言ってくれた。
それから、キスをした。
短いようで長いキス。
どれくらいしてたか分からない。
本当に覚えていない。

それから何度かデートをした。
遊園地に行ったり、映画を見に行ったり、食事をしたり。
分かれる前には必ず優しいキスをしてくれた。

椎葉部長は、「雅隆」って呼んでくれって言ったけど、
恥ずかしいからやっぱり「部長」としか呼べなかった。

それから暫くして、椎葉部長と初めて結ばれた。










5月8日(木)

今日は、お兄ちゃんが家に帰ってきてた。
お父さんもお兄ちゃんも殆ど家にいないことが多い。
二人とも仕事が忙しいみたい。

お兄ちゃんもうすぐ結婚するみたい。
今度彼女さんうちに連れてくるって…










5月9日(金)











5月10日(土)



















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