私の意識はゆっくりと覚醒していった。
何かとてもいい夢を見ていた気がする。
激しくも心地よい疲労感と、そしてこの上ない、至上の安らぎ。
とても、いい、匂い……。
それはとても愛しい、男の、匂い―――――――……
私が目を開けると、肌が目に入った。
見上げると、私は飛鳥の腕に抱かれていた。
そっと上体を起こすと彼はうっすらと目を開けた。
「おはよう、せつら」
「おは、よ…」
私は周囲を見渡す。
ここはホテルの、部屋――――――……。
部屋には私と飛鳥、だけ―――――。
私と、飛鳥、だけ―――――?
(あっ―――――――――――――――…!!)
途端、私は自分が何をしていたのかを思い出していた。
恥ずかしさに顔が真っ赤になる。
突然後ろから抱きしめられた。
愛しい、愛しい、愛しい、飛鳥の、腕。
私もその逞しい腕を抱きしめる。
とてもいい夢見心地だったのに。
流れ込んだ記憶が、私の頭の中を、ぐちゃぐちゃに掻き回す――――――……
「うー……」
「どう、だった?」
「うー……」
「イキすぎて、失神したんだって?」
「う―――――。。。。。」
もう、取り返しが付かない。
戻れない。
無かったことには出来ない。
決して。
これは、後悔?自責?悔恨?悲しみ?怒り?
「悠理とは、どうだった、の………」
「良かったよ」
「良かったって、どういうこと?」
「良かったって、気持ちよかったってこと……」
「だから、なんで良かったのよ―――――――――!!」
「せつら……?」
「なんで――――――!?
なんでよ――――――――――――――――!!?」
ああ、駄目、、、
駄目、、
堪えきれない
感情が溢れてきて、止まらない―――――――……
駄目
彼は、悪くない
彼は悪くない、、、、
「なんで、気持ちいいのよ――――――――――っっ!!!」
ううっああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ――――――――――――――――――――………………………
……………………………………………………………………………………
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…………………
飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛鳥飛あすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかあすかぁ―――――――――――――――…………、、、、
助けて―――――、助けて――――――、、、、
苦しい――――――――――――――――――
苦しい――――――
心が苦しいよ――――――………
「なんでっ…………!!」
苦しい、苦しい、
気持ち、良かった………。
あの男に、挿れられて、激しく突かれて、汚らしく罵られて、何度もイッてしまった……。
口に出されて、飲まされて、顔にもかけられて………、、、
「あうっ――――……」
飛鳥に押し倒された。
上からのし掛かられた。
両腕を上から押さえつけられ、動けない。
飛鳥の腕に私はなんの抵抗も出来ない。
突き飛ばそうとした。
でも飛鳥は動かなかった。
動かない。
動けない。
うう。
「ごめん、な―――――――……
俺は君の望みをできるだけ叶えてやりたいと思った。
せつらに輪姦願望があるなら、
アブノーマルなえっちをしたいならさせてやりたいって思った」
「それは違うっ―――!!」
「勿論、せつらが俺以外とはしたくないっていうのは分かってた。
でも、実際に経験させてやりたかったんだ。
俺はこれまでに、それなりの数の女とやってきた…………。
でも、心の底から、本当に大切にしたいと思えた人は君だけだった。
だから――――……」
「…………?」
「その……、経験――――させてやりたかったんだ」
「そんなのっ、私は求めてない―――――!!!」
「これは俺の我が儘なんだよ。
君を俺だけに繋ぎ止めるための――――――…」
分からなかった。
全然理解できない。
彼が何言ってるか。
分からない。
分からないよ。
こんなことをしなくても私には貴男しか見えないのに。
見えていないのに。
「何言ってるのか、分からないよ……」
私がいけなかったの?
私がえっちなのがいけなかったの?
私には飛鳥しか要らなかった。
飛鳥しか欲しくなかった。
ずっと貴方しか見えなかったのに。
貴方だけしか、見てないのに――――――――――………
「ごめんな―――、でもありがとう俺の為に頑張ってくれて。
愛してるよ、せつら」
「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
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うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
うううううああああああああああああああああっ……………、、、、、、
飛鳥の馬鹿ぁぁ――――――――…………、
飛鳥の馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿あああっ―――!!!!
あすかのばかっ、ばかっ、ばかっ、ばかっ、、、、、、
好き、飛鳥のことが好き――――――――……!
私も飛鳥のことが好き、大好き大好き大好き大好き――――――……………」
それから飛鳥と何度も愛し合った。
何度も、何度も、何度も……………
深く、深く、とても、深く―――――………
もう、来た道を戻ることは出来ない。
時とは非可逆的なもの。
もう、どうすることもできない。
だからこそ、私たちは―――……
私の心は、この日の出来事を消化するのに、かなりの時間を要しそうだった………。
第49話:スワッピング
終わり