見えないオシャレ(はあと)・1
お年頃となれば色気づくのも当たり前のことではある。
しかし。
誰もが好きなファッションを楽しめるわけでもない。
時間と金銭的余裕において、体育会系は圧倒的に条件が悪い。
なんとなれば、学校は大概制服であるし、圧倒的に時間を取られる部活中は、ジャージである。
休日に、と言っても、休み自体がほとんどない。
一日休んだら、取り戻すのに三日はかかる。
天下取りを目指すなら、いたしかたのないところである。
そして、そんな部活中心の生活を送っていれば、バイトをする余裕すらない。
お洒落を極めるにはそれなりに金がかかる。
特に、上物は高い。
よって、自動的に『見えないお洒落』に力が入ることになるのだ。