OVER THE DREAM
最後の記憶は、走り続ける広い背中。
全力で追いかけたのに、追いつけない。
誰よりも、近くを走っていたけれど。
走り続けたあの時、お前はどんな顔をしていたんだろう。
苦しかったのか、辛かったのか、楽しかったのか。
それとも。
満ち足りていたのか。
走り終えたお前の顔は知っているけれど、走り続けるお前の顔は、知らない。
夢は、見えたのか。
二人で見た夢に、一人で走り続けて届いたのか。
一人では叶えられない夢に。
きっと、届いたんだろう。お前なら。
でも、俺はまだ届いてない。
俺は、まだ、本当のお前を、知らない――。