そして桧山と灰刃はすぐに荒渡へ連絡をとり、羅城せつらを連れて行く約束をしたのだった。
黒いバンのボックスの中には3人の少年と、意識の無いみことがいた。
3人のうちの一人がみことに膝枕をし、横に寝かせている。
その手は遠慮無く彼女の体をまさぐっている。
他の2人もその様子を眺めながら興奮し、時折手を伸ばし、スカートを捲り上げ、みことの腿をなで回し、下着の上から陰部を擦りあげる。
「ひゃははは、俺この子、結構好みだぜぇ…」
「白か」
「なぁ、これ勝負下着じゃね?」
「マジ?」
「あー、早く犯してぇ」
膝枕をした少年はその少女の顔に見覚えがあった。
というより、彼にとっては忘れようもない相手だった。
あれは1年ほど前―――――………
2年になり悪鬼のメンバーとなった彼は、初めて、強姦の現場を目にした。
相手は中学生の女の子だった。
実行部隊がどこからともなく拉致し、羅刹さんの前へと連れてきた少女。
泣き、喚き、暴れる少女を羅刹さんがねじ伏せ、犯す――――――
少女に対する若干の同情や罪悪感はあったが、興奮と性欲の前には些細なことだった。
羅刹さんがひとしきり楽しんだ後、少年たちはおこぼれに預かる。
代わる代わる少女の脚を抱え、その性器の味を楽しむ。
そしてついに少年の番がきた。
その少女は、少年にとって初めての相手だった。
(これで童貞ともおさらばだぜ――――!!)
涙でぐちゃぐちゃになったその顔は決して可愛いとは言えなかったが、少年は興奮のままに突っ込んだ。
既に何人にも犯された少女は疲れ果てたのか、全く喘ぎもせず、完全にマグロ状態だったが、少年はがむしゃらに腰を降り続け、少女の中で達した。
他の少年たちの精液だらけの穴に多少の抵抗感は感じたものの、初めて味わうまんこは格別だったし、少女の膣奥で腰を振るわせた時の感動は忘れられない。
記憶に残っていたのは、彼にとって少女が初めての相手だったから、というだけではない。
悪鬼は女から訴えられないようアフターケアまでしていた。
輪姦した後ホテルへ連れて行き、シャワーを浴びさせ、綺麗にし、ピルを飲ませ、自宅まで送り届ける。
女が、家族や周辺の人に悟られずにすむよう、最低限の体面を保てるようにしてやるのである。
自宅前まで送ってやるのはおまえの家は分かっているぞとはっきり示すためで、それからもし訴えたら、輪姦のビデオを近所にばらまくぞという常套句も忘れない。
大抵の女はそれで終わるが、相手によっては自分から腰を振り、ちんぽを求めるようになるまで許さなかった。どんなに気の強い女でも、自分からちんぽを求めてしまえば訴えなどしない。
レイプは親告罪である。
被害者が届け出なければ犯罪にはならない。
もっとも、拉致や集団強姦は親告罪ではないのだが、“発覚しなければ犯罪として扱われない”という点では、同じことであった。
それが悪鬼のとっていた犯罪を犯罪にさせない手法だった。
街中でひっそりと一人の女が輪姦され、絶望の悲鳴を上げているのに、周囲の人々は誰一人それに気付かぬまま、世界は回り続けるのだった。
勿論、中には鬱病になったり自殺をした女もいる。
しかし周囲に相談し、周りを巻き込んで悲しみに暮れることはあっても訴えた女は今までに一人も現れていない。
そう、間違いない。
あの時、彼女の自宅前まで送り届ける役を担ったのか彼だった。
“御巫みこと”
間違いない。
今年に入ってから校内で何度か見かけるようになり、その度に彼女のまんこを思い出しては視姦していた。強姦するときは皆仮面を被っているので、彼女は自分を知らないだろうが、彼女の顔は今でも脳裏に焼き付いている。
少年は少女の服の中に手をいれ、直にその乳房を楽しみながら、昔を思い出していた。
当時、殆ど膨らみの無かった胸が、今はそれなりに出てきているような気がする。
これからまたこの少女の体を堪能できると思うと期待に胸が膨らんだ。
あの時は初めてで余裕が無く、ただがむしゃらにことを終えただけだった。
今度はゆっくりと嬲ってやる――――、そう思った。
その股間は痛いほどに腫れていて、時折腰を揺らしては彼女の頬に押しつけた。
そう、少女の名は御巫みこと。
もし彼が、この子は羅城せつらではないと仲間に知らせていたなら、事態は変わっていたかもしれない……。
しかし彼は、拉致るべき女の名前すら知らない、単に言われるままに同乗しただけの下っ端だった―――――…
その時、ボックスに座っていた少年たち3人は、一斉に携帯を取り出した。
それは空見から悪鬼全員に一斉送信された、緊急招集のメールだった。
しかしこの黒いバンを先導するのは悪鬼の四天王の二人、桧山と灰刃だ。
ゆえに3人はそのメールの内容ついて、一切の思考を放棄した――――――――――――
第20話:姦策
終わり