―――――――――――――……
無事、先輩の受験が終わり、勉強から解放された私たちは思うがままに、好きなだけ逢うことができた。
私は長い間溜め込んでいた鬱憤を晴らすように、先輩を求めた。
3度目のセックスで私は自分から先輩のものを口に含んだ。
もう何度も何度も妄想の中でシミュレーションしていたその行為に、私は没頭し、初めて口でいかせた飛鳥の精液を全部飲み込んだ。
嬉しかったし、美味しかったし、なにより幸せだった。
回を重ねる度に私は大胆になり、正直なところ私は先輩とのセックスに病みつきになっていた。
逢えばいつでもどこでも繋がってしまう。
そしてその殆どが私から求めてしまう……。
学校でも人目を盗んでは先輩とキスをし、先輩からの愛撫を求め、それから先輩のものを舐め、交わった。
「せつらは、ほんとえっちな子になっちゃったな」
「うー…」
私は先輩にそう言われる度に、恥ずかしくて顔を真っ赤にして俯いてしまう。
分かっている。
自分で分かっている。
はっきりいって性欲過多。
もしかしたら異常かもしれない。
分かってはいるけれど、この衝動を止められない。
飛鳥が好きで、飛鳥と繋がっていたくて、もうそれだけで――――………。
「先輩は……、やっぱ男の子だから……、他の娘ともしたいって思うの?
男の人って一人の人としてると飽きるって…雑誌に…」
「毎日こんなに精気を抜かれてたら、そんな余力はないよ」
「うー…、答えになってない……」
「そうだなぁ。
せつらが、俺にとても愛されてるって、感じさせてくれるから、
俺はとても満たされているから――――」
「でも、あんまり求めすぎると、
逆に面倒くさくなったり重荷になったり……とか……したり……、するんじゃ………」
自分で言って悲しくなった。
でも、どうしようもないのだ。
私の心はどうしようもなく飛鳥でいっぱいなのだ。
これでも抑えてるくらいで………。
「せつらはどうして欲しい?」
「え………?」
「俺にどうして欲しいかはっきり言ってごらん?」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「もっと………」
言おうとして、思わず涙がでてきた。
先輩が好き。
飛鳥が好き。
好き、好き、大好き。
クラスの男子たちの下品な言葉や、いやらしい視線を向けられるのには嫌悪感しかないのに、
男子の性欲の強さはそれなりに理解しているつもりなのに、
でも先輩のなら、制服でも、体操着でも、水着でも、どんな変態チックな欲望も受け止めるのに、
受け止めたいのに、
先輩は他の男子や、雑誌で読むような男や、私の持っている男のイメージとは、随分違っていて……
大切にされているのは、本当に身に染みて分かるのだけれど――――……
もっと、飛鳥の欲望にまみれたい。
欲望をぶつけられたい……。
「うん…?」
「もっと、先輩の方から求めて欲しい―――……」
でも飛鳥に嫌われたらと思うとそんなこと言えなくて。
私はそれだけ言うのが精一杯だった。
第38話:求愛
終わり