それから俺はずっと彼女を抱きしめながら泣いた。
彼女も泣いていた。
なんか今日は一日泣いてばっかりだな、と思った。
やがて泣き疲れた俺たちは布団に潜り、お互いを抱きしめ合って眠った。
目を覚ますと夜中の1時だった。
すぐ目の前にみことの寝顔があった。
きゅぅぅん―――………。。。
その可愛らしい寝顔に、愛しさが込み上げ胸が締め付けられる。
キスしたい衝動に駆られ――――、
でもその衝動を堪え、
私は彼女のおでこにキスをした。
みことがくすぐったそうに体を捩り、それから体を擦り付けてきた。
私たちは微睡みの中、何度も愛撫しあい、再び眠りに落ちた。
次に目が覚めた時は朝の6時だった。
私は一人布団から抜けだしてシャワーを浴びた。
シャワーから上がると彼女も既に目を覚ましていて、ベッドの上で隣をぽんぽんと叩いた。
私は素直に彼女の隣へと潜り込んだ。
「ちょっ―――……!?」
みことが私の胸に吸い付いた。
舌の上で転がされ快感が走る。
「あっ……駄目……っ…」
胸から口をはなすと、そのまま唇―――――――――――……
を逸れて首筋に。
暫く私の首筋を愛撫していたみことがぴたりと止まった。
「どうして………」
それから彼女が小さく呟いた。
私に上半身を預け、首に顔を埋めたまま。
今の彼女の表情は見なくても分かる。
決してさせたくない、悲しそうな、表情。
唇に触れようとした直前に私の体は硬直した。
それは隠しようがない。
それは明確な拒絶――――――、だった。
そのことが、私も悲しい。
胸が張り裂けそうになる。
どうして。
「私―――――――…………、記憶喪失になって……、
ずっと、目が覚めなくて……」
みことは私にもたれかかったまま動かなかった。
ただ、私の言葉を待っていた。
「気がついた時には、みことがいなくなってて、
それで………、ずっと優しくしてくれて、側にいてくれた、飛鳥のことが………」
「のことが……」
ああ。
分かった。
私は確かにこの子を愛していた。
本当に大好きだったのだ。
本当に、本当に、大好きだったのだ。
それはきっと今でも変わっていない。
私は今、本気で、この子のことが欲しいと思っている。
決して悲しませたくないと、感じている。
でも、今でも同じくらい、飛鳥のことが好きなのだ―――……
まだ彼を愛しているのだ―――――――――――
心が、壊れてしまう―――――――――――