「いったぁ………」
みことが私の腫れた頬に湿布を貼ってくれた。
擦りむいて出血した手や腕なんかも、ちょっと大げさなくらいの包帯が巻いてあった。
「あの男、ほんと酷いよ。
女の子のお腹蹴ってくるし…、顔ひっぱたくし……
あああああ―――!もおおおお―――!!!!
ちょーちょーちょーちょームカツクうううううううう―――――――――!!!!」
今、思い出しても本当に腹が立つ。
女に暴力を振るう男なんて男の風上にも置けない。
っていうか強姦とかさー、ほんとどうなってんの。
まじ死ねばいいのに。
っていうかあの時殺せば良かった。
私の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っっっっ
ああああっ、、、、もおおおおおおおお―――――――――!!!
「あうーあうー!!
せつらさんー;;;;;;;;;;;;;;;」
不機嫌に苛立ちを隠さない私の姿にみことが泣き始めてしまったので、それ以上、愚痴はこぼさないで言わないでおく……。
「いたっ…」
と思った瞬間、私は痛みに眉を顰めた。
頬の傷がまた開いて血が滲んできたのだ。
「中切れてるの?」
「うん……」
「歯は大丈夫?
折れてたり、ぐらついてたりしない?」
「うん」
「舐めてあげる」
「え?」
みことが私に覆い被さるようにして―――――――……
それから思いきり舌を伸ばし、私の口に挿れてきた。
「んっ、んっ――――――!!」
私の頬を舐めようと、何度も何度も舐めてくる。
「せつらさんの血、舐めた〜〜い………」
「んっ―――、ちょ――――、みこと」
「せつらさんの血の味しないよぉぉ……。
血分けてよぉ……」
ってみこと、なんか発言内容が危ないんだけど。
私なんで押し倒されて、っていうか、みこといつのまに脱いで―――………。
私はそのままベッドの上に押し倒された。
みことの舌が私の首を這い、それから鎖骨、肩、胸へと降りてくる。
「あああっ――――――――んっんっ………」
彼女の細いが指が私の秘所へと入ってきた。
「んんっ――――――――!!」
「ふふっ、せつらさん、どうしたのかなぁ?
なんでここ、こんなに濡れてるのかなぁ――――――」
「はぁっ、はぁっ―――」
私は恥ずかしくて股を閉じる。
が、みことの手に促されまた開かされた。
みことが腰を入れてくる。
お互いを合わせる。
「はぅん――――――、あぁん――――――――!!
あうっ、んっ、あああっ、んんんっ――――――……」
や、なにこれ、なんか、いつもと違う。
いつものように熱く、いつものように気持ちよく、いつものように愛しく、
いつものように狂おしく―――――――
でもなにかが、なにかが、
そう、まるで、膣内に射精されているような――――――!!?
「みこと、なんか、変だよっ……」
「ん。ぼーちゅーじゅつ」
「はぁっ……はぁっ……、え……?」
「ほんとは陰と陽―――――、
男と女でしか上手く機能しない方術なんだけど……。
でもだいじょぶ。
なんとかしてみる」
「え?え?え?」
「せつらさん、可愛いから、私、犯す気満々だから、だいじょぶ」
いやっ、いやっ、あのそうじゃなくてぇぇ……。
熱いっ、熱いよぉぉぉ――――――……
「ちがっ、んっ、んんっ……、ぼーちゅうじゅゆ―――がぁぁ―――」
「正確には房中陰陽術、だよ。
体内の氣の流れを調節して、活性化させるの。
すぐに元気にしてあげるからね、せつらさん」
よく分からない。
けど、これも巫女の使う方術の一つらしいということは分かった。
身体が熱い。
確かに、頬や腹の痛みが引いている気がするけど、でもそれは、ただえっち中だから気にならないだけのような気もする。
って、みこと今なんて言った――――――!?
陰と陽、男と女でしか効かない術って、言わなかった――――――!?
ってことは―――――!?
「ねぇ、みこと、これの……、修行とか……って……」
「………う?……うん、まぁ………少しは……」
「じゃあ、他の人に肌許して――――……!?」
「う。。。。でも、仕方ないじゃない――――――!
これも巫女の修行のひとつだったんだから―――――――――!」
「だからって―――!!」
「なによ、せつらさんだって空見さんとヤッてたくせに!!」
「そっ…それは……!!」
「それに昨日、悠理から聞いたんだからね!
スワッピングもしてたって!
あと援交だって―――……」
「あ―――あ―――あ―――あ―――あ―――あ―――!!!!!!」
「私はっ、修行のときだって
ずっとずっと、せつらさんのことを想って――――
なのにっ、なのにっ………、
せつらさんは、私のことなんて忘れて、男作って、ううっ…うううっ…
うわあああああああああああああああああんっっっ―――――――――!!!」
「ごめんっ、悪かった、私が悪かったって―――――――!!」
「ううわあああああ――――――――――っ」
「いや、だからっ、ねっ、そのっ……、
別にみことを責めてるわけじゃ……なくて―――――、
その―――悔しいっていうか……………、、、
ただの独占欲………だよ……」
「え?」
「だから、ああもう――――――!!!」
私はいっきに体勢を入れ替え、みことの上にのし掛かった。
「どうせ泣くなら、可愛い声で鳴いてよね――――――」
みことの陰唇を思いきり掌で撫で回しながら、彼女の上半身を舌で愛撫する。
それから股へ頭を入れ、陰核に舌を這わせ、左手で陰唇を撫でながら、右指三本を膣へ挿れ掻き回す。
「ああっ、せつらさんっ、そこっ……んんっ……
はぅぅ……
せつらさぁぁん――――――………!!」
みことの腰が跳ね、足が震える。
もう何度も身体を重ね合わせているから、彼女の弱いところは熟知している。
「だめ、だめっ、あうっ、はぅんっ、せつらんさぁぁああんっ―――――――!!」
可愛い声で鳴いて、と言ったのは冗談ではなく本心だった。
何度聞いても心地よい声だ、と思う。
愛しい声で、何度でも、いくらでもあげさせたくなってしまう。
「あひゃぅ、ああっ、せつらさんっ、わたしっ、わたしいいっっ―――――――!!!」
私は思いきり指を動かし刺激し、みことの秘所が溢れた。
びしょびしょと何度も迸る。
そしてそれは私の顔に何度も降り注ぎ、貼って貰ったばかりの湿布があっというまにびしょびしょになってしまった。
はぁっ―――――――はぁっ―――――――はぁっ―――――――
はぁっ―――――――はぁっ―――――――はぁっ―――――――
はぁっ―――――――はぁっ―――――――
はぁっ―――――――はぁっ―――――――はぁっ―――――――
はぁっ―――――――はぁっ―――――――
お互い荒い息をついていた。
私も―――――――――――……いっちゃった……。
みことに潮を吹かれ、顔に思いきりかけられ、いってしまった。
それだけではない。
今も興奮が抑えきれず、呼吸が苦しい。
あああああああああ―――――――――!!!
駄目、だめえぇぇぇ―――………
体が思い出してしまっていた。
それは、まるで、男の精液を顔に浴びせられた時のような、淫蕩な――――――……
ずっと忘れていた。
私の中に潜む願望。
それはきっと、本当に心を許した相手にしか現れない、歪んだ快楽への――――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
はぁっ―――――――――はぁっ―――――――――
呼吸が、苦しい。
涙が溢れてくる。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎて泣いてしまう。
けど、抑えられない。
「せつら………、さん………?」
「みことっ………!!!」
「う……、?」
「一つ、お願いが…………あるんだけ……どっ―――……! はぁっ―――はぁっ―――」
殴られた頬やお腹や、擦りむいた腕が痛かったはずなのに。
もうそんなことはどうでも良くなっていて。
ただ、今はもう、どうしても興奮が抑えきれなくて―――――――
はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――
言っちゃ駄目。
言っちゃ駄目。
駄目だって。
我慢して!!
お願いだから!!
堪えて、私!!!!
せつら―――!!! 駄目だってば―――――――――!!!
はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――はぁっ――――――
「私の顔に……、おしっこ、かけてくれない?」
恥ずかしすぎて、死にそうだった。
第84話:房中術
終わり