目が覚めた時は既にお昼を回っていた。
襖を開けるとすごく冷たい冷気に体を撫でられ一気に目が覚めた。

勝手の分からぬ状況で、おろおろしていると、巫女装束になっているみことが現れ「せつらさん、こんにちは」と笑った。



「もしかしてみことは5時起きで……?」
「うん、朝からみっちりだよー」

「ごめん―――、起こしてくれて良かったのに……」
「せつらさんは生理中だし仕方ないよ。
 それよりも具合、大丈夫?」
「うん、まあなんとか……」

「修行どうする?今日はやめとく?」
「ううん、やる」

「じゃあ顔洗ってきて。それからこれに着替えて。
 申し訳ないけど今日はお昼抜きです。
 夜まで我慢してね;」
「うん、それくらい平気」


ほんと言うと布団がとっても恋しかった。
あの戸を再び開けるのが怖かった。
まるで氷の精霊が犇めいているのかとでも言いたくなるような、恐ろしい程の冷気が漂っているのが、部屋の中にいてもひしひしと感じられた。

しかし当初5時起きだったはずを、8時間近く余計に眠らせて貰ったのだ。
あんまり甘えているのも恥ずかしい。



「はう、せつらさん胸おっきいから大変……」
「ブラ外さないといけないの?」

「うん。
 で、これ着て……、しっかり襟詰めてね。
 服で擦れて勃ったら大変だし―――」
「うー。
 なんか肌着とかないの」

襦袢じゅばんは無いんだよね……、ほら昨日も言ったけど御巫の巫女は男ばっかりだから」


私は少し厚手の白い着物に着替えた。
はっきり言って肌には優しくない感じ。

みことはその上に更に赤い袴をつけている、が、私は見習いだから無いのだという。


「今は修行であって人前にでるわけじゃないから―――」


とみことは言うが、100歩譲ってそうだとしても、私は普通に厚着がしたかった。
こんな格好でこの部屋から一歩外へでたらあっというまに凍えてしまいそうだ。
ただでさえ生理中で体を温めたいのに、冗談抜きで体を壊しかねない。
足袋すら穿かせてくれないなんて。


それにしてもみことってば、なんて可愛らしいの――――――!!


巫女姿がとても様になっていた。
まあ、本職なのだから当然なんだろうけど……。


彼女がこれまでしてきたという修行を、実際に体験してみたい気はあるものの、既にへこたれそうだった。
ほとんど泣きそうな顔をしていたのかもしれない。
みことが私の両頬に手をあてて優しく笑った。


「大丈夫。せつらさんは普通の巫女さんの修行にしてもらうから」


よく分からない、けどみことの瞳が優しかったのでとりあえず安心した。


「みことは?」
「私は御巫の巫女としての修行になるけど―――……」










全ての戸が取り払われた修行の間は、霜が降りるどころか、雪までふりそうな自然への吹き曝し状態で、自然の冷凍庫を思わせた。


「あー、やっぱ無理」

早速ぽつりと弱音を吐いた私に、

「せつらさん頑張って。
 あとで暖かいおしっk―――――」

「あああああああっっっっ――――――――――――!!!
 分かった!分かったから!!!」


くぅ。完全に弱みを握られてしまった。
でもそれで嬉しいのだから我ながら手に負えない。



「ふむ、これはけしからんのう―――――――――」



私の姿をみたお祖父さんは、開口一番、そう言った。
ていうか私自身、下着さえつけないこの格好恥ずかしいんだけど―――。


そこに集まっていたのは私とみこと、お祖父さんと、それから昨日食堂にいた5人と、初めて会う人が二人。こちらもやはり男だった。


1時間ほど坐禅を組み(私は正座だったけど)、それからお祖父さんにお清め、というかお祓いみたいなことをして貰うころには――――――あまりの緊張と寒さで私の意識は既に途切れそうになっていた。





痛い 寒い 痛い 寒い 痛い 寒い 痛い 寒い 痛い 寒い 痛い 寒い―――………




無念無想っていうか、




ああ、駄目だ、




もう眠い……










「せつらさんは今穢れの月にあります。
 それに巫女の修行も初めてですから、今日は礼式から学んでいただきます。
 彼女には私が指導します。いいですね?」



遠のきそうな意識の中で凛とした声が響いたのを確かに聞いた。

促されるまま立ち上がり、気がつくと暖かな部屋にいた。
殆ど微かな暖房だが、とにかく四方の扉が閉まっている、というだけでも天と地、いや、南国と南極の差くらいある。



「あれ、今のって、みことが…」
「うん。今日はここで作法のお勉強だよせつらさん。
 みっちり教えるからね?」

「う、うん………」
「大丈夫?」

「うーん……、眠い……」
「寝たらだめー!」

「うー、ごめん………」





でも、私の意識はもう途切れそうで、ほんとに眠くて眠くて………





「だめ、起きて、起きて―――」





みことの声が遠く聞こえ、私は彼女の温もりに幸せを感じながら――――――…





でも凍える寒さの所為か、生理の所為か、私の生体機能は本当に低下してしまっていて、





「せつらさんっ――――――………」










起きなきゃ、起きなきゃ、と思いつつ、、、、私の意識は途切れた。


















































「おい、メス豚咥えろよ」
「ふぁぁぃ…… はむ……はむはむ……」


私は口元に突き出された男根を頬張る。
美味しい、嬉しい、幸せ。
飛鳥に酷いことを言われているというのにそれがとても快感で。

自分が変態的なマゾであることは恥ずかしいけれど、でもそれを安心して委ねられて。


「美味いか?」
「うん、おいひぃぃ――――――……」


私は彼に甘えながら、喜びに頷く。


「何が美味いんだよ?お前何を口にしてるか分かってるのか?」

「飛鳥のおちんちん!飛鳥のおちんちん、美味しいよぉ…、
 硬くって、熱くって、臭くって、いやらしくて、
 これを舐めるの大好きなのぉぉ……」

「ほんとどうしようも無い淫乱女だな……」

「せつら淫乱なのぉ……。
 飛鳥のおちんぽ咥えるの大好きな淫乱なのぉ―――……」


嬉しい、幸せ、でも切ない。


「おまんこ、挿れて、飛鳥のおちんちん、おまんこいれてぇ………」


嬉しいはずなのに、後から後から溢れてくる涙。
こんなにも求め、恋い焦がれているのに、でもどうしても超えられない境界。


「仕方ないな……、四つん這いになってケツあげろ」
「はい……♪」



「あんっ―――!!」



飛鳥が入ってきた。
硬いモノが私のあそこを掻く。激しく激しく出入りし、私の奥をガンガン突いてくる。


「やだぁ、やだぁ、飛鳥っ、飛鳥っ、キスキスぅ――――――」


私は上体を反らして必死に後ろを向き、飛鳥を求める。


「るせぇ、メス豚とキスなんかできるか」
「やだっ、やだぁぁ、キスしながらがいいっ、飛鳥ぁぁっ―――。
 前から、犯して、前から、抱いて、私を―――、お願いっ」


切ない、切ない、切ない。
体は熱く、満たされているというのに、心はこんなにも切ない。


「ちんぽのことしか考えてないくせに何言ってんだよ。
 突っ込まれれば誰でもいいんだろが!!」

「やだっ、飛鳥のっ、飛鳥のちんぽがいいっ、飛鳥だけっ、飛鳥だけなのおぉぉぉ―――!!!」










「じゃあ私は?」










「え―――……?」





「……………、、、、じゃあ、私はどうしたらいいのかな……?」





いつの間にか目の前にみことが立っていた。
私が後ろから飛鳥に突かれ、喘いでいるのを寂しそうに見つめている。


「みこっと、あんっあんっ、あああっ―――、あああっ―――……あああっ―――」

「誰?」


飛鳥が私の耳元で訊いた。


「えっ、とっ、あんっあぁんっ、ああっ、駄目、飛鳥、ねぇ、待って、待って」

「誰だよ、あの子。可愛いじゃん。友達?」

「え?」



私は突然の事態に何が起きているのか分からなくて。



飛鳥、やめて、こんな姿、みことに見られたくない。





「せつらさん、私はどうしたらいいの?」



やだ、みこと、そんな寂しそうな顔しないで。



「あのね、私の恋人」



私は飛鳥にそう告げた。



「へぇ……、じゃあ俺は?」

「私の、恋人……」





私は必死に手招きしてみことを引き寄せた。


そのまま彼女に口づけをする。
愛しいその唇に。

さっきまでずっと飛鳥のおちんちんを咥えていた口だけど、抑えきれなかった。

みことを独りにはしたくなかったし、何より私自身が求めていた。

私は必死にみことと舌を絡める。



みことの服を脱がせ、その可愛らしい胸を愛撫し、乳首を口に含み、それから股を開かせ、その花弁に舌を這わす。

みことの其処は既にぐっしょりと濡れていて、太ももまで蜜を溢れさせていた。


「ああっ、せつらさぁん、せつらさぁん――――――」


みことが感じていることに私も嬉しくなってしまう。
彼女の愛しい喘ぎ声が私を欲情させる。

ああ、挿れたい、みことのここに、熱くて、硬い、モノをつっこんで掻き回したい。




「飛鳥、、、」

「ん?」



いつの間にか飛鳥は腰を振るのを止めていて、私の背に覆い被さるようにして私の行為を見ていた。




「飛鳥のおちんちん、挿れてあげてくれる……?」



飛鳥は、私から離れるとみことの後ろに立ち、頭を掴んで彼女の口元にちんぽを突きつけた。
みことは促されるまま大きく口を開けてそれを咥える。



「ちょ………」



みことが首を振って男根に奉仕し、飛鳥も気持ち良さそうに腰を揺らしている。



「飛鳥、私、そんなこと、頼んでないでしょ……、
 みことのおまんこに挿れてあげてって、言ったのに」

「それなら自分で挿れてやったらどうだ?
 彼女もそのほうが喜ぶだろ」


「え?」


私は指さされるまま自分の股間を見た。

其処には立派な男のモノが生えていた。



ていうか、私は自分の性器は勿論、腹、足、そして腕、手、全てが見慣れぬものであることに気付いた。


これって!?


いつの間にか私、男になってる―――!!!



「飛鳥、なんか私男になってる!!!」



私がそういうと飛鳥は優しく笑った。



「みこと、挿れてもいいの?」


「んぐっ、んぐっ――――――……」



みことは飛鳥のものを咥えながら、横目で私を見遣り、何度も頷いた。



私はその先端をみことにあてがい、腰を進めた。



「んんあっ―――――――――!!」



温かく、絡みつくみことの膣。
私と繋がったみこと。

更に彼女の口には飛鳥のちんぽ。


正直羨ましかったけれど、同じくらい幸せだった。


私はがむしゃらに腰を振った。




ああ、みこと、なんて、なんて、いやらしい。

やらしい、やらしいよ、みこと。




ちんぽ2本を咥え込んで、そんなに嬉しそうにして。




「みこと気持ちいい?」




みことは何度も首を縦に振った。
飛鳥のちんぽを口に咥えたまま。





ああ、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、





みこと、みこと、みこと、みこと、みこと、みこと――――――――――――…………


















































「…………んっっ…」


オーガズムに達し、ただ快楽の余韻に身を委ねていた。


口内をまさぐる舌に、私も舌を絡めて応える。


「せつらさん」

「んっ………」


私はゆっくりと目を開けた。
恥ずかしそうに、顔を紅潮させたみことが私を覗き込んでいた。


私は愛しさに突き動かされるまま彼女を抱き寄せ、頬をすり寄せた。



「ちょ、せつらさんっ………」


ぽんぽんと肩を叩かれるも私は離さなかった。


そう、離すものか。
みこと。
ずっとずっとこのまま貴女を抱いていたい。



「ね、せつらさん、すごい夢見てなかった……?」
「んっ、夢……?」



夢……夢……夢…………、、、、


あっ、そっか、私、夢、見てたんだ………、


あれ、夢だったんだ………、、



「ごめんね……、眠ってたせつらさんに私が悪戯したばっかりに……」
「ううん……愛してる、みこと……」










夢―――?





あんな幸せなこと





そう





夢だったんだ………





あたりまえ、だよね、





あんな、あまりにも幸せな、





あまりにも淫らな、




















「愛してる……、愛してる、みこと――――――……」










ひどく肉体が怠かった。

もう随分寝たはずで、睡眠は足りているはずで、

もう起きなきゃ起きなきゃと思っていたけれど、










私はみことを強く胸に抱き寄せたまま、










再び眠りに落ちた―――――――――……



















































第90話:幸せな、淫らな、
終わり

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  第91話:礼
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