私は自分の部屋にいた。
落ち着かない。
落ち着けない。
自分の部屋なのに、ここは私の部屋なのに―――、

私は―――、私は―――、



あの女は私をストーカーだと言ったが、当然そんなことは有り得ない。



この部屋は私が暮らしていた部屋だ。
間違い無い。
クロゼットも、化粧品も、机の中に何が入っているかも、何もかもが記憶にある。

携帯のメールの中身さえ、私の記憶と違わない。

飛鳥がくれた指輪も、私の薬指にぴたりと当てはまっている。
これは間違い無く、彼が私にくれたものだ。


だから、私がおかしくなったんじゃない。
私がおかしくなったんじゃないんだ。



全てあの女の仕業なのだ。



けどどうすればいい?



そのことを私以外の誰も分からない。

信じて貰えない。

誰にも証明できない。





彼でさえ―――……、飛鳥でさえ私が分からなかった。

父も私を分からなかった。

きっと悠理も、萌も、友達の誰一人私をわかってくれない……。





一体、どうすれば―――、私は自分をせつらだと証明できる―――……?










いつの間にか日が昇り、熱い太陽が部屋を熱し始めていた。





私はただ意味も無く携帯を弄り続け―――、
そして、飛鳥に発信しようとして―――、やめた。




発信ボタンを押せば間違い無く彼に繋がるだろう。
けれど、怖かった。
また、彼に自分を分かって貰えないことを思うと、怖くて、、、



なんとしても、どうしても、彼にあの女のことを教えないといけないのに―――……。

いけないのに、どう説明すればいいのか分からない。



どうすれば、彼に、あの女が偽物だと言うことを伝えられるのだろう?



それに今もまだ、彼はあの女と共にいるに違いない―――……、、、


私がどんなに懸命に説明しても、あの女の一言で全てが覆されてしまう。


私が叫べば叫ぶほど、ストーカーということにされてしまう……。





昨日あの女は、ここに帰ってこなかった…、



外泊……、ということは―――、、、



もしかしたら飛鳥は、私になりすましたあの女を―――――――――…………










ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”――――――……










襲われる、





狂気に襲われる、





誰か、教えて、


教えてよ、





私は一体どうすればいいの…………、、、



















































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