私たちは、彼のベッドの上で壁に背を預け、並んで座っていた。
私はできる限り、ありのままを話した。
彼に私のプライベートを知られるのは嫌だったし、ましてや撲斗高校の不良たちに強姦されたことなんて知られたく無かった。
けれど、それでも、今の私には彼しかいなかったから。
今話しておかなければ全てを忘れてしまいそうな、そんな気がして怖かったから―――……。
もう、何日も寝ていない所為か、ズキズキと頭が痛んだ。
時間はあっという間に過ぎ―――、気がつくと時計は深夜0時を回っていた。
「ヘビーだな……、、」
「うん、ヘビーだよ……」
「なぁ、その女の名前って、分からないのか?」
「あ、サラ……、サラって言ってた」
「サラか……、結構可愛い名前だな」
「…………」
「はぁ〜〜?
何言ってんの?
言うまでもなく、せつらの方が比べものにならない程可愛いぞ?」
「…………」
「とにかく―――、俺はもう学校で、そいつに近づかない方が良さそうだ。
もし俺がその女の正体を知ってるのがばれると何かされるかもだし……。
暫くは遠くから様子を探る方がいいな」
「うん」
「なぁ、せつら……、自分の名前無いと不便だろ。
せつなってどう?
勿論、自分の名前を取り戻すまでの一瞬って意味と、願い―――を込めて。
それなら言えるだろ?」
「刹那……」
「羅城刹那―――、名前を取り戻すまではそれが、お前の名前だ。
勿論、俺だけはせつらって呼ぶけどっ!!」
「ううん、空見刹那―――、それが私の名前。」
「空見かよおおおっ―――!!
そこは伊本刹那にしようぜ!!
な―――? なっ―――!?」
「ごめん、、、」
私はそっと、彼の頬に唇を寄せた。
「ちょ―――!?」
「凄く嬉しい……、ありがと、
でも、ごめん、、、私、空見刹那がいいの―――……」
「ちっ、しょーがねーなぁー……。
そんな嬉しそうな顔されたらさ……、、、
キスでごめんとか、そりゃー反則だろ……つうかチートだろ、、、ブツブツ……、、」
「せつら……」
「うん?」
「悪いけど、俺ここんとこ全然寝れてないんだ―――……。
本当のせつらに逢えて、安心して、やっと眠れそうだし、少し眠りたいんだけど……、いいか?
せつらも、全然寝てないんだろ」
「うん、でも眠たくないから、寝ていいよ。
あ、ごめん……、今晩、私、ここにいてもいい?」
「勿論だよ。じゃあ俺は椅子で寝るから」
「いいっ、いいっ、伊本くん、私、眠たくないから、私が椅子で」
「残念ながら、そういうわけにはいかないんだよ。男ってのはさ。
んじゃあ、おやすみ〜〜〜」
「うん、おやすみ……」